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遺言書Q&A
こちらではよくある遺言書に対する疑問をQ&A方式でおこたえして
おります。随時内容を追加してまいります。
Q.遺書と遺言書って違うの? Q.遺言書がたくさん出てきた。どれに従えばいいの? Q.遺言書がありません。相続はどうしたらいいの? Q.遺言書の内容にどうしても納得がいかないんだけど? Q.遺言書を書きたいけど、字が書けない。代筆でも問題ない? Q.遺言書は誰が管理すればいいの? Q.遺言書に書いてしまった財産は処分できないの? |
Q. 遺書と遺言書って違うの? |
A.遺書や遺言書は言葉だけ見るとどちらも縁起の悪い言葉のように見え ますが、この二つの言葉は全く異なります。 遺書はこれから死に向かう方が残す最後の手紙です。 それに比べて遺言書というのは、法律の形式に沿って書くもので、 やがて必ず迎える人生の終わりの後、ご自身の家族のために心情的にも 実質的にも財産という形をとって残せる有意義な手段ということに なります。 遺書はすぐそこに死があり、ある意味独りよがりのものですが、遺言書 の場合は残される家族はもちろんのこと、ご自身の人生を振り返ったり これから先のことを家族とともに考える、とても前向きなものです。 「遺書を書いて下さい。」なんて言われるととても嫌な気分に誰しもが なるでしょう。 しかし、「遺言書を書いて下さい。」と言われることは決して悪いこと ではありません。もし嫌な気分になるとしたら、それは遺書と遺言書を 取り違えているということです。 |
Q. 遺言書がたくさん出てきた。どれに従えばいいの? |
A.遺言書はいつでも何回でも書くことができます。 なので、こういったご質問のようなことは実際によくあるケースで、 ドラマだけでのお話ではないのです。 結論を言いますと、どれだけ数があっても「日付の新しいもの」、つまり 一番最後に書いた遺言書が有効な遺言書となります。 それではもし日付のない遺言書が出てきたらどうなるでしょうか。 その遺言書はいつ書いたかの証言があって明らかだったとしても自筆証書 遺言の場合は無効となります。 それに対し公正証書遺言の場合は公証人が日付を明らかにしています ので、問題がありません。 このように自筆の場合は日付が絶対に必要となります。 当然、「○月吉日」のように書いてしまうと、前後が明らかにならない ため無効となるので注意しましょう。 |
Q. 遺言書がありません。相続はどうしたらいいの? |
A.ご家族が亡くなったとき、自動的に相続が発生します。 まずは遺言書があれば、基本的にはそれに沿う形で、そして遺言書が 無ければ、遺産分割協議といって相続人同士が話し合い、財産を誰が どれだけ引き継ぐかを決めることになります。 必ず遺産分割をしないといけない、というわけではありませんが、 遺言書や分割協議による財産の振り分けが無い状態でも相続税がかかる 額の遺産の場合は一定の期間後に相続税の申告と納税は必要です。 遺産の分割状況によっては相続税の減税なども可能になりますので、 それらを踏まえて遺産分割をするのが得策と言えます。 遺産分割の話し合いがまとまらない場合は、裁判所による調停などに より、相続財産を分割することになります。 |
Q. 遺言書の内容にどうしても納得がいかないんだけど? |
A.遺言書は財産を残すご本人の意思です。 法律では財産をどのように処分するかは所有者の自由と決められています ので、遺言書がある場合は通常はそれに従わないといけません。 ただし、遺言書の中で法定の相続人(遺産を受け継ぐ権利のある人)以外 の人に財産を残す(これは相続ではなく遺贈と言います)ことはできる ものの、一定の相続人は最低限度の遺産を受け継ぐ割合の主張が できます。 これを「遺留分」と言い、この場合は一旦遺言書どおりに財産が振り分け られますが、遺留分を主張してその分を取り戻すという形になります。 その他にも遺言書の中に書かれた遺産を受け継ぐ人が相続人だけである 場合は全ての相続人の同意があれば、遺言書に従わずに遺産分割の協議 ができることになっています。 |
Q. 遺言書を書きたいけど、字が書けない。代筆は問題ない? |
A.自筆証書遺言(最も低コストで簡単な遺言書)の場合は一言一句全て自筆で 書かないといけません。 よくワープロ、パソコンなどで打ち込まれた文章に署名だけ自筆でも 大丈夫と思われる方も多いのですが、それも無効となります。 これは自筆の場合、変造や偽造が簡単であることから、遺言書の信憑性を 保つためにあえて厳格な様式が守られているということなのです。 なので、いかなる場合にも本人の自筆以外は認められていません。 例えば、本人が字を知らない、とか、手が不自由で字が書けない、という ようなやむをえない場合でも例外にはならないのです。 こういった場合は公正証書による遺言書の作成をされるのがよいで しょう。 公正証書遺言はもともとその遺言書の信用性を公的に明らかにするものな ので、全て自筆である必要がなく、手順としては遺言者が考えた遺言の 内容を公証人が文章に起こすという形をとっています。 基本的には最後の署名のみ本人の自筆、ということが決まっているのです が、やむをえない場合はその理由を公証人が添えて代筆もOKとなって いますので、字が書けない状態でも作成は可能ということになります。 |
Q. 遺言書は誰が管理すればいいの? |
A.当然のことですが、遺言書は残したご本人が亡くなったときに初めて その効果が表れます。 その場合、もしその遺言書の行方がわからない、とか、遺言者の金庫の中 に入っていて出せない、なんてことになると全く無意味どころか、 かえって遺言書がもとで残された家族が大変な思いをすることに なります。 ですので、遺言者が管理するのは避けた方がよいでしょう。 信頼のおける人に管理してもらうか、もしくは多少の費用を覚悟して 専門家に管理してもらうのが得策です。 なお、公正証書遺言の場合は原本が公証役場に一定期間保管され、また 遺言書の有無も公証役場に問い合わせればわかる(遺言者が存命中は照会 できません)ため、万が一紛失した場合や行方がわからない場合でも問題 がありません。 |
Q. 遺言書に書いてしまった財産は処分できないの? |
A.これは遺言書に今住んでいる土地や住まいをどなたか(例えばお子さん など)に相続させる財産として書いた場合のお話です。 遺言書というのは双方の同意による契約ではありません。 遺言者が一方的にそのご自身の財産を処分する方法を決めるだけです。 なので、いつでも好きな時に好きなように撤回や変更をすることが可能 ということになります。 もし遺言書の内容に書かれている財産を処分(売却や譲渡など)した場合 はその部分だけ無効となり、それ以外の部分に関しての遺言は有効な ままです。 これは敢えて処分前に遺言書を書きかえる必要もありませんので、遺言書 に書いた場合でもいつでも気にせず自由に処分ができるということです。 ただし、贈与契約といったような相手がいる契約の場合は相手方の同意が 必要となってきますので、勘違いしないように注意が必要です。 |
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