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相続手続きの流れ

  
  @ 相続人が誰かを調べる

  被相続人(財産を残す人)が亡くなった時、相続が開始するわけですが、

  その時に初めて法定の相続人が確定されます。


  それまではあくまで”推定”相続人であって、その時点で相続人になるで

  あろうという一時的な立場でしかありません。


  というのも、被相続人ご本人をとりまく環境はいつも同じではなく、

  結婚や出産など様々な要因でご家族の構成自体が変わりえるからです。


  ですので、まずは相続が開始した時点で、一体誰が法で定められた

  正当な相続人であるかを調べる必要があります。


  このとき、被相続人ご本人の生れてから今までの戸籍謄本を集めること

  により、漏れなく相続人となる者を明らかにしないといけません。


  戸籍謄本の収集に関しては、誰でも自由に取れるというわけではなく、

  本来であれば本人か直系の親族(ご両親やお子様たちなど)のみが請求

  できるのですが、傍系であっても相続人である場合はその必要性から

  請求可能な場合があります。


























  A 遺言書が残されているかどうかを調べる

  
  次に、遺言書が残されているかどうかを調べます。


  遺言書が無い場合は、相続人同士で話し合って決める遺産分割協議を

  行うことが多く、もし協議がまとまった後に遺言書が見つかるなどした

  場合、はじめから遺産分けをやり直しすることになってしまいます。


  故人の意思を尊重するという点で、基本的に遺言書は遺産分割協議より

  も優先されるべきものです。


  ただ、相続人が総意で遺言書の内容に従わない遺産分割も可能ですので、

  遺言書が全てではありません。それでも遺言書の執行人が決まっていた

  り、相続人以外の人に遺贈する旨の遺言がある場合などは、自由に相続人

  だけで分割協議をすることはできないので、やはり遺言書の有無は

  できるだけ早い段階で調べる必要があるというわけです。


  遺言が公正証書で残されている場合は、公証役場に原本があり、検索

  システムがあるため比較的簡単に見つけられます。

  
  それに比べ、自筆証書遺言などの場合は、ご本人が誰にも伝えていない

  場合があり、下手をすると見つからない場合もあります。

  それでも、生前に法律の専門家とコンタクトをとっていなかったかなど、

  思い当たる所を全て当たって、なんとか見つけ出してください。


  場合によっては複数の遺言書が書かれているケースもあります。

  形式が法律に沿ったもので、一番新しい日付が書かれている(つまり

  一番最後に書かれた)遺言書が有効なのですが、それより以前の遺言も

  部分的に有効なところがある可能性もありますので、注意が必要です。



























  B 相続財産を調べる

  
  誰が相続するのかがわかれば、次は「何」を相続するか、ということに

  なります。


  考えられるものは、預貯金や現金など、それから土地、建物などの不動産

  と、あとは株などの有価証券関係ですね。

  これらは比較的分かりやすいものとも言えます。


  ここで忘れてはいけないのが、「借金などのマイナスのものも財産

  として相続する」ということです。


  借金は相続しないで、預貯金と不動産だけ相続する、といったような

  都合のよいことはできません。

  ですので、場合によっては相続をしない(放棄する)という選択肢も

  考える必要が出てきます。


  いずれにしても、プラスのもの、マイナスのもの、全ての財産を把握

  しなければ、相続の手続きは進みません。


  また、何が相続財産であるかがわかりにくいものや、相続税法上は

  生命保険の受け取り金が「みなし相続財産」として扱われるなど、

  ひとつひとつ見ていくと、相続の財産を把握するという作業は途方も

  ないものになることが多いとも言えます。

  そういった場合は専門家の力を借りるのが近道です。  





  


  C 遺産を分割する

  
  さて、ようやく準備が整いました。

  いよいよ遺産分割本番です。自筆の遺言書(公正証書でないもの)が

  ある場合は、裁判所による検認をお忘れなく。


  遺言書があれば、まずそのとおりに遺産を分割します。

  もし遺言書の分け方に相続人全員が納得していない場合、先述しました

  が、相続人の他に遺産を受け取ることを指定されている人がおらず、

  遺言執行人も指定されていない場合に限り、遺言書を一切無視した

  遺産分割に持ち込むことができます。


  もし遺言書の中に書かれていない遺産がある場合は・・・。

  その遺産に関してのみ協議により相続人で分割します。


  遺言書が無い場合は、相続人全員による遺産分割協議を行います。

  これは必ず法定の相続人全員で行う必要があります。

  相続人が一人でも参加しない場合の遺産分割協議は無効となります

  ので、どうしても参加できない場合(失踪や本人の精神的な障がいなど)

  には、それに応じた法律が用意されています。

  ですので、”全員"でなければいけない部分に例外はありません。


  遺産分割協議が無事終われば、協議書を作成します。

  これはある程度の書式にのっとったものであれば問題ありませんが、

  一方で協議書を公正証書として残す方法もあります。


  費用はそれなりにかかりますが、原本が公証役場に保管されるため、

  紛失の必要が無く、また法律の裏打ちがあるため、その書類自体に

  信憑性が備わります。具体的な恩恵としては、その後の手続きが

  スムーズになるということでしょうか。





  D 分割後の手続き

  
  無事、相続人それぞれが自分の受け継ぐ遺産が決まりました。

  この時点で遺産はその遺言書どおりに、そして遺言書が無い場合は

  分割協議書のとおりに、手続きを経ずに所有権が移動しています。


  しかし、名義変更や所有権移転登記など、表から見た上でも所有権

  が移転しているのがわかるようにしないといけません。


  特に不動産に関しては、その後の様々な手続きに関わってくる可能性が

  高いため、移転登記を行うのが通常です。


  その際、相続人自らが登記申請も可能なのですが、今後に問題を

  残さないためにも、司法書士に依頼することをお勧めします。


  他にも故人名義の口座の解約や、動産、不動産の売買など、様々な

  手続きはありますが、はじめの準備さえ余念がなければ、問題なく

  進むはずです。  







































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